【2026年7月】オーストラリアの新年度で変わること——税金・最低賃金・ビザ費用まとめ
この記事でわかること
オーストラリアは7月1日が新年度のスタート。所得税率・最低賃金・退職年金(Super)・ビザ申請費用の傾向を一次情報ベースで整理。「Superが12.5%に上がる」という誤情報の真相も解説します。
目次
なぜ「7月」がオーストラリアの節目なのか
日本の会計年度は4月始まりですが、オーストラリアの会計年度(Financial Year / FY)は7月1日〜翌年6月30日です。タックスリターンの対象期間がこれに沿っているのはもちろん、税率・最低賃金・社会保障の各種しきい値、ビザの申請費用なども、この7月1日のタイミングで見直されることが多くあります。
💡 つまり:「7月から何が変わるか」を把握しておくと、給与明細の見方やタックスリターンの準備、ビザ申請のタイミングまで、まとめて整理できます。
📝 実体験から:現地で働いていた頃、毎年7月が近づくと「税率や最低賃金、Superの仕組みは変わっていないか」「ビザの更新費用は上がっていないか」を給与明細やニュースでチェックするのが習慣になっていました。この記事はその時に実際に気にしていた項目を、2026年版としてまとめたものです。
① 所得税率:$18,201〜$45,000の税率が16%→15%に
2026年7月1日から、課税所得 $18,201〜$45,000 の部分にかかる税率が 16%から15% に引き下げられます。これは2024年に成立した複数年にわたる減税パッケージ(Stage 3+)の一部で、対象になる人は給与から天引きされる税額が自動的に少なくなり、年間で最大 約$268 の減税効果があるとされています。
- 対象:課税所得が $18,201〜$45,000 の範囲にかかる部分
- 変更後の税率:16% → 15%
- 他の税率帯(30%・37%・45%、非課税枠 $18,200)は変更なし
- 手続きは不要。雇用主の給与計算システム側で自動的に反映される
💡 レシートなしで使える新しい控除も。2026年度予算では、仕事に関連する経費について領収書なしで最大$1,000まで控除できる「即時控除(Instant Tax Deduction)」も新設されています。タックスリターンの際に対象になるか確認してみる価値があります。
② 最低賃金:7月1日から引き上げ決定
毎年恒例のFair Work Commission(公正労働委員会)による年次賃金見直しの結果、2026年7月1日から最低賃金が引き上げられることが決定しています。全国最低賃金(National Minimum Wage)はおよそ6%、award(産業別の最低賃金)はおよそ4.75%の引き上げです。
- 引き上げの適用は「2026年7月1日以降に最初に始まる給与支払い期間」から
- award の最低時給は 約$26.44/時間(継続雇用の場合)が目安として示されている
- 入社後6ヶ月以内の研修中レートなどは、これより低い基準になることがある
項目2024年7月〜2025年7月〜2026年7月〜全国最低賃金(時給・通常)$24.10$24.95$26.44全国最低賃金(時給・カジュアル+25%)$30.13$31.19$33.05全国最低賃金(週給・通常)$915.90$948.00$1,004.90所得税率($18,201〜$45,000の部分)16%(19%から引き下げ)16%(変更なし)15%Superannuation Guarantee 拠出率11.5%12%12%(変更なし/Payday Super導入) 💡 上記はあくまで「全国最低賃金」の基準額です。実際の時給は、業種ごとに定められた award(産業別の最低賃金協定)によってこれより高く設定されていることがほとんどで、職種・業界によって大きく変わります。自分の仕事がどの award に該当するかは、Fair Work Ombudsman の公式サイトで確認できます。
⚠️ 実体験から:現地で働いていた中で、実際に最低賃金や award rate を下回る時給を提示・支払う職場に出会ったことがあります。特に飲食店やファームジョブなど、現金払い・カジュアル雇用が多い業種では、こうしたケースが珍しくないと感じました。「自分の仕事の最低賃金がいくらか」を事前に知っておくことは、給与が適正かどうかを判断する大事な物差しになります。もし給与に疑問を感じたら、Fair Work Ombudsman の無料相談・情報ツール(Pay and Conditions Tool)で確認できます。
⚠️ 給与明細は必ずチェックを。引き上げ後の最初の給与で、時給・基本給が正しく更新されているか確認しましょう。雇用主の対応が遅れているケースもあるため、おかしいと感じたら早めに確認することをおすすめします。
③ 「Superが12.5%に上がる」は実は誤情報——本当に変わるのは別のこと
ネット上では「2026年7月からSuperannuation Guarantee(雇用主が積み立てる退職年金の拠出率)が12.5%に上がる」という情報を見かけることがありますが、これは誤りです。法律で定められた引き上げスケジュールは、2025年7月に12%へ到達した時点ですでに完了しており、2026年7月も拠出率は12%のまま変わりません。
では何が変わるのかというと、2026年7月から導入される「Payday Super(ペイデイ・スーパー)」という新しい仕組みです。これまで雇用主は四半期に一度まとめてSuperを積み立てていましたが、Payday Superの導入後は、給与の支払いと同じタイミングで毎回積み立てる必要があります。
- 拠出率:12%のまま変更なし(「12.5%への引き上げ」は誤情報)
- 変わるのは「積み立てのタイミング」。給与支払いごとにSuperが積み立てられるようになる
- 働く側にとっては、自分のSuper残高への反映がより早く、こまめになるメリットがある
💡 ワーホリで帰国する人にも関係あり。Superは条件を満たせば帰国後にDASP(出国時退職年金一時金)として引き出せる制度です。積立タイミングが変わっても引き出しの仕組み自体は変わりませんが、自分のSuper残高がどの口座に積み立てられているかは、こまめに確認しておくと安心です。
④ Medicare Levy のしきい値も毎年見直される
Medicare Levy(メディケア税)の低所得者向け非課税ライン(low-income threshold)も、物価の動きに合わせて毎年見直されています。直近の年度では、独身者・家族・高齢者世帯それぞれのしきい値が2.9%程度引き上げられました。
2026-27年度分の正式な数値は、例年8〜9月頃にあらためて発表される傾向があります。この記事の執筆時点(2026年6月)ではまだ確定情報が出ていないため、具体的な金額については、確定後にATO(オーストラリア税務署)の公式情報で確認するのが確実です。
💡 ワーホリの人は「免除」も忘れずに。Medicare Levy は条件を満たせば免除申請が可能です。仕組みと申請方法は、それぞれ別記事で詳しく解説しています。
→ メディケア免除申請のやり方|MES取得〜タックスリターンまで全手順
⑤ ビザ申請費用も「7月に変わりやすい」傾向がある
オーストラリアのビザ申請費用(Visa Application Charge)は、これまでも7月1日のタイミングで物価指数(CPI)に連動して見直されることが多く、直近では2025年7月にほとんどの申請費用が3%前後値上がりしました。ワーホリビザ(417・462)の申請費用は、2026年6月時点でAUD$670となっています。
⚠️ 2026年7月分の正式な値上げ発表は、この記事の執筆時点では確認できていません。「毎年7月に見直されることが多い」という過去の傾向からの推測であり、断定はできない点にご注意ください。これから申請を予定している人は、念のため早めに公式サイト(Department of Home Affairs)で最新の費用を確認してから動くと安心です。
⑥ 「年度替わりは審査が混みやすい?」について
「制度が変わる時期は申請が集中して審査に時間がかかるのでは」という声を聞くことがありますが、これを裏付けるような公式統計は見当たりませんでした。年度替わりに合わせて駆け込みで申請する人が増える可能性はあるものの、それが実際の審査スピードにどの程度影響するかは公式には示されていません。
確実なのは「いつ申請しても、必要書類に不備がなければスムーズに進みやすい」という基本です。申請のタイミングそのものより、準備をしっかり整えることの方が重要だと考えています。
出典・参考リンク(公式情報)
この記事の制度・数値に関する情報は、以下の公式情報源を確認した上でまとめています。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
- 所得税率・税制変更:ATO(オーストラリア税務署)— Tax rates – Australian resident
- 最低賃金の引き上げ:Fair Work Ombudsman — Annual Wage Review 2026
- Superannuation・Payday Super:ATO — About Payday Super
- Medicare Levyのしきい値:ATO — Medicare levy reduction for low-income earners
- ビザ申請費用:Department of Home Affairs — Current visa pricing
まとめ:渡航前・滞在中の人がやっておきたいこと
- 給与明細をチェックし、最低賃金・税率の変更が正しく反映されているか確認する
- 「Superが12.5%になる」という誤情報に惑わされず、Payday Superの導入だけ覚えておけばOK
- Medicare Levyのしきい値は確定後にATOの公式情報で再確認する
- これからビザ申請をする人は、念のため公式サイトで最新の申請費用を確認してから動く
- タックスリターンの準備として、Payslip・TFNなど必要書類を早めに整理しておく
「7月に変わること」をあらかじめ知っておけば、給与明細やタックスリターンで「あれ、おかしいな?」と思ったときにも落ち着いて対応できます。制度は毎年少しずつ変わるので、最新情報は都度公式ソースで確認する習慣をつけておくと安心です。
Daiki
自力で海外生活(じりかい)運営者。オーストラリア2年滞在・NZワーホリビザ自力取得・エージェント不使用での各種書類手続き経験をもとに2026年最新の一次情報を発信。
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オーストラリア・ワーホリの道のりの中のこの記事
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- 2 着いてすぐ
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